「棘」

約2分
作:かにみそ大将軍
過去の君の言葉が、不意に痛みを思い出させる
気にしなければ
触れなければ
棘は刺さったままでも、痛みは感じなかった
ふとした瞬間に棘が何かに触れ、痛覚を刺激してくる
痛い... 何て痛いんだ...
出てくるのは恨みではなく、過去の自分に対する後悔...
どうして?なぜ?選択肢を間違えたのか?
あの時、別の答えを出していれば...
世界は変わっていたかも知れない
或いは
世界は変わらないのかも知れない
僕はこの棘を抜く術を知らない
いつまでも心に刺さった棘を抱え
今日も、痛くないフリをする...
END