ある日の台本師たち

作:かにみそ大将軍


1「どうだ(2)いいのおもいついたか?」

2「全っ然だめだ。まったく何も思いつかない」

1「登場人物が男同士だもんな」

2「友情話じゃ山場が難しいしオチもなぁ」

1「かといって安易にBLにしたくもないからなぁ」

2「じゃあ刑事ものとかどうだ?たとえば...」


1「くっ...捕まってしまった。一体どうすれば...」

2「助けに来たぞ相棒!」

1「(2)!来るな!」

2「これは...」

1「俺はもうだめだ。こいつは爆弾だ」

2「よっしゃ!」

1「よっしゃ?」

2「いやー憧れてたんだよね。頼むからでてこいよ」

1「憧れてたって...馬鹿!勝手に開けたら!」

2「赤と青のコードきたあああ!」

1「人が死ぬかもってときに何よろこんでんだよ!あと大きな声出すなよ!見つかるだろ!」

2「この日を何回シミュレートしたことか」

1「大丈夫なのかよ⁉」

2「任せてくれ。約3割の確率で成功している」

1「自分の中のシミュレーションなのに成功確率低い!ストイックすぎる!ていうか死ぬ!」

2「ど ち ら に し よ う か な」

1「幼稚な決め方!」

2「思い切って両方だ!えい!」

1「馬鹿!」

 (爆発)


2「...な?」

1「な、じゃねーわ!結果ダメだっただろ」

2「じゃあ異世界転生俺TUEEEEとか」

1「確かに今じゃ世間一般と言ってもいいほど普及されてるけど」

2「けど?」

1「逆を言えば、斬新な設定とかじゃないともう面白くないわけよ」

2「まぁまぁやってみようって」

1「やってみるってなんだよ!?...おい!」


2「よく来た勇者(1)よ」

1「ここは...俺は子供を助けようとしてトラックに轢かれたはずじゃ」

2「そんなお前を見かねて、こちらの世界で新しい人生を歩んでもらおうと思ってじゃな」

1「これが世に聞く異世界転生か」

2「お前に神の加護として特別なスキルを授けよう。それで魔王を倒してくれ」

1「魔王がいるのか。俺にできることならやってみよう」

2「ではスキルを」

1「おぉ体中に光が。神様一体なんのスキルを?」

2「超回復に超筋力に超魔術。デバフ含むバッドステータス無効に全技使用可能じゃ」

1「与えすぎ!超過保護じゃん!...はっ!まさかここまでしないと魔王に勝てないとか」

2「いや?今のお前ならデコピン一発で魔王を屠れるじゃろ」

1「デコピンで屠られる魔王がかつて存在しただろうか...」

2「はて、わし...何かやっちゃいました?」

1「それ主人公が言う台詞!」


1「いやだめじゃん!」

2「ダメか...」

1「そうなると」

2「やっぱ」

12「BLかぁ…」

END

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