しき「夏」

作:かにみそ大将軍


男「本当によく笑うよな。まるで向日葵のようだよ」

  彼女の笑顔が眩しかった。灼かれてしまいそうになるほど…

女「そういう君こそ、まるで向日葵のようだよ」

男「どういう意味だよ?」

女「そのままの意味だよ」


男 熱い日差しが俺たちの肌を焦がす

女 初めて一緒に見た映画は頭に入ってこなかった

男「外はあんなに暑いのに中は寒いくらいだ」

女「風邪ひいちゃう?何とかは風邪ひかないっていうけど」

男「俺が馬鹿だって言いたいのか?」

女「だれも君の事だとはいってないけど自覚があるのかな?」

男「お前!」

女「あはは。ほら映画始まるよ!はい」

男「なんだよその手」

女「席まで案内して」

男「...」

女「あのー私も恥ずかしいんですけど」

男「わかったよ!」

男 初めて握った君の手は柔らくて、冷房のせいかすごく暖かく感じた。


男「今見た映画感動したね!ラストにあのシーン持ってくるって思ってた!」

女「ほんとそれ!私も絶対そうだと思ってた!」

男 色んな事を話した。今見た映画や好きな食べ物、そして将来の事。

女「私、将来ウェディングプランナーになりたいんだ」

男「へぇー意外だね」

女「うるさい(笑)結婚式って人生で三回あるイベントで唯一主役として意識が持てるんだよ」

男「なにそれ?三回のイベントって何?」

女「生まれてくる事。結婚する事。そして死ぬ事」

男「もっとイベントあるだろ?」

女「いいの!結婚式って皆キラキラした笑顔になるでしょ」

男「まぁ?」

女「その笑顔を作る手伝いができたって思うと私まで嬉しくなると思わない?」

男「そういうもんなの?」

女「そういうものなんです」

男 そう話しながら笑う君を見て、やっぱり向日葵のようだなと思った。

END

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