リア充爆発スイッチ(二人)

作:かにみそ大将軍
登場人物
笹山 直治(ささやま なおはる)...陰キャ。
ラズキ...悪戯の死神。リア充爆発スイッチ所有者
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笹山 (くそ...どいつもこいつもリア充しやがって...爆発しろ!)
「あ~あ、異世界に転生とかしないかn」
笹山 「あいた!あっ。す、すいません」
笹山 (はぁ~怖かった。...なんだよ、前見てないのは向こうもじゃないか)
「あぁもぅ!むかつくな!マジで陽キャ共爆発しないかな!」
ラズキ「あ~もしもし?そこの人間君?」
笹山 「うわぁ!びっくりした!おじさん誰?」
ラズキ「はじめまして。私はラズキと申します。以後お見知りおきを」
笹山 「はぁ...で?そのラズキさんが僕になんの用ですか?」
ラズキ「貴方...人生つまらないって顔してますね」
笹山 「べ、べつにそんな」
ラズキ「もしかして、異世界に転生したいとか」
笹山 「できるのか⁉」
ラズキ「いえ、できません」
笹山 「なんだよ...できない事言うなよ。期待しちゃったじゃないか」
ラズキ「最近流行っていますからね(笑)転生はできないですけどこんなものはあります。どうぞ」
笹山 「なんだよこのスイッチ」
ラズキ「これは『リア充爆発スイッチ』になります」
笹山 「リア充爆発スイッチ?」
ラズキ「見てください。あそこにいかにもっていうカップルがいますね」
笹山 「人目を気にせずいちゃついててマジキモイ」
ラズキ「ですよね(笑)というわけでスイッチをえい」
爆発
笹山 「なっ...」
ラズキ「ね?愉快でしょ?」
笹山 「し、死んだのか⁉」
ラズキ「はい」
笹山 「でも、二人の姿が...」
ラズキ「安心してください。死体は出ないようにできています」
笹山 「死体は出ないってどういう...」
ラズキ「そのままの意味ですよ。細かい事は気にしないでください」
笹山 「で、でも」
ラズキ「このスイッチさえあればいつでもどこでもリア充を爆発させられますよ」
笹山 「普通に犯罪なんじゃ...」
ラズキ「そこもご安心してください。なんやかんやで捕まらない仕様です」
「死体は出ないのですが世間的には死んだことになります」
笹山 「ほ、本当なんだな?」
ラズキ「はい。本当です。ただ一点だけ注意が必要です」
笹山 「え?なんだよ」
ラズキ「そのスイッチはその名のとおりのスイッチだという事をお忘れなく」
笹山 「どういうことだよ」
ラズキ「そのままの意味ですよ。では...」
笹山 「お、おい...。消えた...」
(一体何だっていうんだ...こんな怪しいスイッチ。人殺しの道具じゃいか...)
(でも...一回くらいなら...えい)
爆発
笹山 (このスイッチは本物みたいだな。あ...あいつ、さっきぶつかってきた奴。見るからに陽キャだもんな...えい)
爆発
笹山 「あは...あははははははは」
(これさえあれば、むかつくリア充共を爆発できるぞ!)
笹山 数日間、このスイッチを押してわかったことがある。
誰かを対象とする場合、そいつを直接視界に入れる必要がある。
写真や録画映像では爆発しなかった。
対象物を決めずにスイッチを押した場合ランダムなのか誰かが爆発する。
試しにやった時は、世界一の大富豪が亡くなったというニュースが流れた。
偶然かわからなかったので、もう一度押したら世界的に有名な俳優が亡くなった。
それからというもの、僕の生活は一変した。
「これさえあれば何も怖くないし、むかつくリア充共は爆発させられるし最高だな!」
「今がきっと人生で一番楽しい。あははは。今日は対象決めずに押すか!誰が爆発するかな?」
爆発
笹山 「一体何が...?僕はスイッチを押して...そしたら近くで爆発した?」
そう、爆発したのだ。僕の近くにリア充がいたのか?そんなはずはない。
スイッチを押すときは誰もいない時と決めているし、十分注意している。
「とにかく...立たないと...?」
立てない。というより足の感覚がない。爆発に巻き込まれて麻痺してしまったのか?
目の間にスイッチが転がっている。
「スイッチ。回収しないと...」
その時、誰かがスイッチを拾い上げた。
ラズキ「だから忠告したというのに。まぁでも十分楽しませてもらいました(笑)」
笹山 「あ...あう‥‥あ...」
ラズキ「おや?もう喋る事もできませんか?」
笹山 (一体何が起きたのか訳がわからない。忠告?あいつはなんて言っていた?)
ラズキ「そのスイッチはその名の通りのスイッチ、つまりリアルが充実した人間を爆発させるもの」
「あなたもしかして、人生楽しいとか思っちゃったんじゃないですか?」
笹山 「あ...あ...」
ラズキ「そのようですね。まぁ自業自得。いつでも安全な場所から...なんて虫が良すぎると思いません?」
笹山 「(咳き込む 吐血)」
ラズキ「爆発した人がどんな感じなのか、わかってよかったですね(笑)」
「おや?事切れましたか。最後に私の仕事を手伝ってくれたことにお礼を申し上げますよ」
「死神の仕事を手伝ってくれてありがとう。そしてさようなら」
「あはははははははははははははは!」
END