全部、夏のせいだ
原作:かにみそ大将軍
脚本:ひなた
登場人物
男 : A C E G
女 : B D F H
A「あっち~。こんな日差しの中部活とか...死ぬ...」
B「こぉら。サボりかぁ?全くだらしないんだから」
A「そうは言うけどマネージャーのお前と違ってこっちはあのアッツイ太陽のもと走り回ってるんだぞ」
B「はいはい。自分が好きで入った部活でしょ。文句言わないの」
A「そりゃそうだけどよ...マネージャとしてもう少し部員を労わってもいいんじゃないの?」
B「だめよ。あんたたちすぐサボろうとするんだから。しっかり見張ってないとね」
A「はいはい。そりゃご苦労なことで。なぁ何か飲み物もらえないか?」
B「スポーツドリンクと水どっちがいい?」
A「スポドリ頼むわ」
B「わかった。はい、どうぞ。味わって飲みなさいよ(笑)」
A「おう。ありがとう。(ゴクゴク)ぷはぁ。」
B「ベンチはベンチで熱いんだからね。(ゴクゴク)」
A「あっ...」
B「何見てるのよ?もしかして、お水の方がよかった?」
A「馬鹿。そんなんじゃねーよ」
B「だったら何見てたのよ?」
A「え...えっと...それは、ああそこ!あのカップル!手繋いで暑そうだな―って」
B「どれどれ。ほんとだ。あれは一年生だね。初々しいね。私にもあんな時期がありました」
A「たった一年前じゃねーか(笑)」
B「あれ?そうだっけ?あはは」
AB「あはははははは」
----------------------------
C「今日も暑いね...」
D「そう...だね...」
C「夏だからかな?...」
D「夏だからかもね...」
C(あ~折角付き合ってるのに会話が進まない...カップルって何話したらいいんだよ...)
D(あーダメだ。緊張しすぎて何話していいか全然わからない。つまらない女って思われてないかな...)
C(せめてカップルらしい事しなきゃ...カップルらしい事カップルらしい事...)
D(こうなったらきちんと好きってアピールしなきゃ!)
CD「あ、あの!手を繋ぎませんか!」
C「......え?」
D「......はい?」
C「えっと...どうぞ...」
D「あの...ありがとう...」
C「そういえば!今度の夏祭りEとFが一緒に行かないかって」
D「C君がいいなら私は別にいいよ...」
C「EとFもうちょっとでくっつきそうなのにこれを機に進展して欲しいな」
D「......そうだね。(やばい。今気が付いたけど私、手 汗ばんでない?)」
C「D?どうした?(やべぇ。手がめっちゃ汗ばんでるのバレた?)」
D「ううん。何でもない...です。(やだ、めっちゃ恥ずかしい!)」
C「そっか...(でも手離したくなしな...)」
D「お祭り...楽しみだね(ここで手を離したら嫌われるかも)」
CD(どうしたらいいんだー!/どうしたらいいのー!)
----------------------------
E「おーい。こっちこっち!」
F「遅れてごめん!」
D「Fちゃん浴衣着てきたんだ!」
C「そりゃ、遅れても仕方ないな。こんだけ可愛ければなぁE」
E「まぁ...あれだ!馬子にもなんちゃ...っていてーな!なぐるなよ!」
F「どうせ似合ってませんよ!ばーか!Dちゃんいこ!」
C「おい。今のは褒めるとこだろ?」
E「うるせーな。わかってるよ...」
C「素直になれよ(笑)」
E「わかってるって...」
E「なぁF」
F「なに?また文句?」
E「ちげーって...その...」
F「その...なによ?」
E「浴衣...似合ってるよ(小声)」
F「え?なんて言ったの?あっ。Dちゃんたちあんなに前に。ほら急いで追いつこ?」
E「そのままにしておこうぜ?あの二人付き合ってるんだ」
F「えっ?そうだったの?じゃあ邪魔しちゃ悪いね」
E「そうだな。...っと、ちょっとここから離れるんだけど、花火が見える場所があるんだ。そっちに行かない?」
F「...いいよ」
E「この公園からだとよく見えるんだぜ」
F「よく知ってるわね。」
E「去年C達と遊んでたら偶然見つけてさ」
F「ふーん。...静かね。」
E「静かだな。俺たち二人っきりみたい...だな」
G「ほんとだって!嘘じゃないよ(笑)」
F「電話してる人がいたみたいね(笑)」
E「そうだな(笑)あっ」
(花火が上がる)
F「綺麗...本当によく見えるね」
E「あぁ...あのさF」
F「なにE?」
E「俺...お前の事」
(花火が上がる)
----------------------------
G「ほんとだって!嘘じゃないよ(笑)」
H「じゃあ信じる(笑)」
G「ありがとう。今度会ったら何しようか?」
H「うーん...花火がしたい!」
G「わかった(笑)あっ...」
(花火が上がる)
H「わっ!もしかしてそっち花火大会?」
G「そうみたい。今公園にいるんだけど凄いよく見える」
H「いーな!いーな!写真送って!」
G「え?今?高校生っぽいカップルがいてはずいんだけど...」
H「はやーくー!」
G「ちょっと待ってろって(笑)」
SE 打ち上げ花火+シャッター
G「お?すげー綺麗に撮れた!」
H「早く早く!頂戴!みたいみたい!」
G「え~どうしようかな~(笑)」
H「ふえ~んG君が意地悪する~」
G「嘘だよ(笑)ほい。送ったよ」
H「ありがとう。わぁ~綺麗...」
G「写真撮る才能あるのかなってくらいうまくない?」
H「最近のスマホの性能はずごいね~」
G「ちょっとは褒めてもよくない?泣いちゃうよ?」
H「うそうそ(笑)G君上手上手よしよーし」
G「ありがとう(笑)。あっもうこんな時間」
H「ほんとだ。早いなぁ」
G「明日もバイトだろ?そろそろ寝な?」
H「暑くて寝れないよ~。それに...」
G「それに?」
H「G君の声まだ聞いていたい...ダメ?」
G「いいよ。そしたらこのままお話するけど眠くなったら寝るんだぞ」
H「うん。ありがとうG君。大好き」
G「俺も大好きだよ」
A「ペットボトルの水を飲む君に見惚れたのも」
B「一生懸命な君が輝いて見えるのも」
C「つないだ手が汗ばんでいたのも」
D「こんなにも鼓動が速くなっているのも」
E「みんなに内緒で祭りを抜け出したのも」
F「二人だけで見た花火にドキドキしたのも」
G「夜遅くまで外で電話していたのも」
H「いつまでもあなたの声を聞いていたいのも」
全員「全部、夏のせいだ」
END