月下美人

作者:かにみそ大将軍
 

女「結構育ったわね...。もうすぐ咲くかしら...」

 「花が咲くところ見られたらいいな...そうしたらきっと...」


男 一昨年買ったその花は、願い事を叶えてくれると言われる奇跡の花だった。


女「何でも、花が咲くのは、たった一晩だけらしいよ」

男「そうなんだ。寝ている間に見逃しそうだね(笑)」

女「だからね、花が咲く瞬間に願い事をすると叶うって言われているんだって」

男「じゃあ頑張って起きていないとだね(笑)。(女)は何をお願いするんだ?」

女「私?私はね...」



女「うーん...夢?」

男「夢?どんな夢?」

女「懐かしい夢だった...あの花を買った時の事。覚えてる?」

男「もちろん覚えてるよ。君の願いもね」

女「...」

男「ほら、朝ご飯にしよう?早く作って作って」

女「何食べよう?」

男「自慢じゃないけど僕は作れないからね(笑)(女)が好きなものにしよう?」

女「オムライスでも作ろうかな...」

男「美味しくできるといいね」


女「ねぇ...(男)」

男「なに(女)」

女「もうすぐ花...咲きそうじゃない?」

男「そうだね」

女「(男)は何をお願いするのかな...願いはあの頃と変わってない?」

男「願いは変わってないよ。あの頃以上に強く思ってはいるけどね。ただ...」

女「私はね...願い事変わっちゃった...」

男「君の幸せをずっと願っているけど、できる事ならもう一度」


女 もう一度

男女 もう一度だけ


女 いなくなってしまった貴方に

男 こんなに近くにいるのに届かない


男女 奇跡の花よ どうか僕(私)の願いを叶えてほしい


男女 願いを聞いた奇跡の花は、微笑むように咲いていた...


END

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