現実回帰

約:6分
 
作者:☼*.。ひなた


女「かんぱーい!」

男「かんぱーい」

女「ごくごく...ぷはぁ!やっぱり仕事後のビールは最高だなぁ」

男「ははは、相変わらず気持ちいい飲みっぷりだな」

女「む...普段はもっとおしとやかな女性やってますよーだ」

男「ま、〇〇は黙っていれば美人だもんなぁ」

女「ねぇ、『黙っていれば』は余計なんですけど?」

男「おっと、口が滑った」

女「それ...フォローになってない」

男「ごめんごめん笑」

女「ほんっと、■■も相変わらずストレートな物言いだよね。もう少し優しい言い方ならいいのに」

男「俺だって一応は優しいで通ってるよ」

女「何?私だからずけずけ言ってくるわけ?」

男「まぁ小学からの付き合いだしな。さすがに〇〇の前では素になってるよ」

女「確かにずっと一緒にいるもんねぇ。あ、そうだ」

男「ん?どうした?」

女「■■、最近彼女いるんでしょー?どんな子なの?」

男「あー...どんな子、かぁ...んー...おとなしい感じ?」

女「■■...そういう子がタイプなの?」

男「いや、タイプっていうか向こうから告白されて、別に嫌いじゃないし...って感じだよ」

女「え!何それ!彼女さん知ってるの!?」

男「ん、告白されたときに言ったよ?けど、『それでもかまわない』ってさ」

女「えーそうなんだ。で、付き合ってみてどうなの?」

男「え、どうって...まぁ...好きでいてくれてありがたいなって思ってるけど」

女「けど?」

男「全部俺に合わせてくるからさ、結局どうしたいのかわかんない...よね」

女「あーなるほど...なんとなく、わかった笑」

男「ありがたいんだけどね(苦笑)そういう〇〇は?」

女「へ?私?」

男「うん、彼氏いたでしょ?」

女「あー...そうだね、いるね」

男「その言い方...うまくいってないな笑」

女「う...さすが■■...」

男「ま、付き合い長いからな笑」

女「ちょっと聞いてくれる!?」

男「はいはい、聞きますよ」

女「なんかさ、ことあるごとに『俺のこと本当に好きなの?』って聞いてくるわけ」

男「あー〇〇が苦手なタイプだな笑」

女「そうなの!好きだよって言っても信じてくれないことも多くてさ、若干しんどい...」

男「むしろ〇〇が良く付き合ってるな笑」

女「前はそんなことなかったんだけどなぁ」

男「てかさ、そんな状態で俺とこうやって定期的に飲んでていいのかよ笑。心配されるだろ?」

女「いーの、■■は特別なの。こんな素の私知ってるの■■くらいなんだし」

男「特別...ね。まぁ確かに俺も〇〇の前が一番素を出してるよ」

女「でしょ?気をつかわなくていいから一番楽なのよねー」

男「そうだな...お互い恋人に苦労してんな笑」

女「はぁー...ねぇ」

男「どうした?」

女「いっそのこと...私たちが付き合っちゃう?」

男「俺と?」

女「うん」

男「〇〇が?」

女「...うん」

男「...やめとけやめとけ。どうせケンカばっかになるよ」

女「...そっか」

男「俺らはこんな感じでたまに飲んで愚痴言って、愚痴聞いてってしてるほうがお似合いだよ」

女「...確かに...そうだね!」

男「いつかお互い結婚したらそれも難しくなるかもしれないけどな」

女「結婚かぁ...出来るのかなぁ」

男「大丈夫、〇〇なら出来るよ、良い嫁さんになると思う」

女「へへ、ありがと。■■もきっといい旦那さんになると思うよ」

男「はは、お世辞でも嬉しいよ」

女「ほんとに思ってるよ?」

男「そか、ありがとな」

女「それじゃ、もう一回乾杯しとく?」

男「いいよ、何に対して乾杯する?」

女「私たちの輝かしい未来のために!」

男「笑。俺たちの輝かしい未来のために」

女「かんぱーい!」

男「かんぱーい」 

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