生の鼓動

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作 かにみそ大将軍

目を閉じる

耳を澄まして聞こえて来るのは一体何の音だろう

ブロロロという車の音だろうか

ゴオオオっというエアコンの音だろうか

ミーンミーンという蝉の鳴き声だろうか

色んな音が混ざって私に届く

更に耳を自分の内側へと傾ける

呼吸の音

吸って...吐いて...吸って...吐いて....

息を止めてみる

ドクン...ドクン...と心臓が動いているのが伝わってくる

鼓動は聞こえそうで聞こえない

でも確かに動いているのがわかる

こんな直ぐ近くに「生」はあったんだ

それに気付いた途端、心臓が強く跳ねた

力強く全身に「生」が駆け巡る

ドクンドクンと体を熱くさせる

冷たく動かないと思っていた自分の中に

確かな「生」を感じた

私はまだ「生きている」
 

END