雨の日の再会
作者:かにみそ大将軍
1 「あ、雨か...」
2 雨が降ると心が少し痛む
1 思い出すのは
1 あの日の
2人 君との別れ...
1 「うわぁ。急に降ってきたな。走って帰れば何とかなるか」
急な雨に降られて僕は愚痴をこぼしながら走る
昔よく遊んだ公園を横切ろうとしてベンチに誰かいるのに気がついた
「こんな場所でなにやってるんだろ?屋根があるからそこまで濡れてないけど‥」
「まぁ関係ないか。早く帰って風呂入らなきゃ風邪ひいちまう」
2 10年ぶりにこの町に帰ってきた。
中学生の頃に転校してしまって仲良かったあいつとも離れ離れに...
携帯なんてものはもっていなかったのでそれっきりになってしまった
「この公園でよく遊んだなぁ...懐かしいな...」
僕は昔を思い出しながら屋根付きのベンチに座り風を感じていた
「なんか眠たくなってきたな...」
「寝るんじゃなった...」
僕は後悔していた。
僕の目覚ましとなったのは激しい雨音。
「もう少しだけ待ってみるか...お?走ってくる人がいる。あの人も雨に降られたのか」
走り去る人影を横目に僕はスマホに目を落とし時間を潰すことにした。
1 昨日の雨が嘘のように晴れた。
「今日は散歩でもするか。久しぶりにあの公園に行ってみようかな」
僕は昨日横切った懐かしの公園へ行くことにした。
「コンビニでサンドイッチでも買っていくか...」
昔、彼とよく遊んだ公園。
毎日横切っているけど今日はなんだかいつも以上に懐かしい気持ちになる。
「あ?誰かいる...誰だろう?」
2 「この町も変わってないなぁ。目新しい物も無かったし今日は帰るか」
ふとまたあの公園へ行きたい衝動にかられた。
「帰ってすることもないし...いくか」
僕はベンチに座り公園を眺めた。
「本当に懐かしいな。あのジャングルジムあの頃のままか。大丈夫か?(笑)」
一つ一つの遊具に彼との思い出が詰まっている。
「お?誰かくるな。ここで食べるつもりかな?そしたら帰るとするかな」
こちらに向かってくる男性に軽く会釈をして僕は家路についた。
1 「げぇ。また雨が降ってきた。」
最近梅雨入りしたせいか天候が不安定だ。
「でも、今日は傘あるから濡れずにすみそうだ」
仕事を終えいつもの道を歩き公園についた。
「あれ?また誰かいる...こないだの人かな?傘ないのかな?」
「あのー...」
2 「またやっちまった...」
今日も公園で転寝をしてしまった。
懐かして最近何度も寄っているが寝ることはなかったのに...
「今日も濡れて帰るか...」
雨に降られて落胆していると誰か声をかけてきた
1 「あのー...傘ないんですか?」
2 「あぁ恥ずかしながらここで寝てしまったみたいで(笑)」
1 「もしかしてこの間の雨もここにいました?」
2 「あー数日前もいました。もしかしてあの時走ってた人ですか?」
1 「はい(笑)こんなとこで何をしてたんですか?」
2 「ここに来たのは懐かしてついって感じでしょうか」
1 「懐かしくて?」
2 「はい。僕昔この町に住んでいたんです。この公園でよく遊んでたんです」
1 「奇遇ですね。僕もこの公園でよく遊びました」
2 「(笑)そうなんですね。しかし懐かしいな。あのブランコで靴をよく飛ばしたり」
1 「そのまま公園の外に出てしまって片足で取りに行ったり」
2 「そうそう、結局見つからなくてそのまま帰ることになって」
1 「あの時は本当におかしかったなぁ...」
2人 「え?なんでそのことを?」
「このことは 1(2台詞)/2(1台詞)しか知らないはず!」
「もしかして!1(2台詞)/2(1台詞)!」
1 あの日、雨の中別れた君
2 またいつかと約束をして別れた君
1 また出会ったのは
2 あの日と同じ、雨の中
2人 二人の再会を拍手するかのように 雨は激しく降っていた
END