Last note

作:Yuki&かにみそ大将軍
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女 今年もこの季節がやってきた。待ちゆく人は浮き足立っている。
あなたと歩くはずだったこの道を、一人きりで歩いている。
あなたはもういない。
ふと飛び込んできた声に思わず顔をあげる。
女「ねぇ、この香水なんの匂い??」
男「これ?この香水はね...」
女 聞き覚えのあるやりとりに私は一人答える 。
「...ギルティ」 忘れられない、匂いだった。
男「好きです!僕の初めての恋人になってください!」
女「え、、あの......わ、私でよければ...!」
男「え...あ、やった!!...これからも、よろしくなっ」
女「こちらこそ、よろしく...ね?」
男「なんで疑問形なんだよ!!」
女「いや...なんか改めて言うと、ちょっと照れくさいなって...」
男「...こ、こっちまで照れるだろ!」
男女(笑)
女「あれ?今日なんかいつもと違う...?」
男「どこが違うか当ててごらん?』」
女「えー?...あ!髪切った?!」
男「ハズレっこれはセットでーす」
女「じゃあ...あれ?この匂い...?」
男「お?』」
女「わかった!香水、つけてるでしょ?」
男「あったりー!どうかな?この匂い』」
女「すごくいい匂い!!私好きだなぁ」
男「本当に?』」
女「ほんとほんと!なんて香水なの?」
男「えーと...なんだったかなぁ...』」
女「え、憶えてないの?」
男「うーん、確か...ギルティって香水だったかな』」
女「ギルティって...罪、だっけ?」
男「そうだね!好きな匂いだなって思ったから由来とかわかんないや」
女「そっか、でもなんか好きな匂いが一緒なの嬉しいね!」
男「...なんだか照れるな』」
女「○○って、意外と照れ屋だよね?」
男「なっ...!バカなこと言ってないでいくぞ!』」
女「はーい(笑)」
女「そういえばさ、この間の香水ちょっと調べたんだけど、ギルティってライラックの花みたいだよ!」
男「そうだよー」
女「え、知ってたんじゃん!なんであの時言ってくれなかったの?」
男「う...それは...内緒だよ内緒!」
女「なんで内緒なのー!?おしえてよー!」
男「おしえなーい!」
女「ケチ」
男女(笑)
女 いなくなったあなたが遺したこの香り。
あなたが纏っていた罪の香り。
私にとっての死の香り。
不意に風が運んできたこの香りが 初めての恋人を思い出させてくれた 。
ふと香水をつけてみたくなった。
あなたと私の好きなその香りを...
END